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時々思い出して何かを書いてとどめておくだけ

2021年の振り返り

やはりブログは1年1回くらいが一番良い気がする, ズボラなので。今年も去年に引き続いて振り返り記事を書いておく。コロナのせいで相変わらず国内、国際学会の現地参加が難しかったり、インターンの現地参加も難しかったりしたが, 総じて言えば去年よりも楽しい毎日が送れたように思う。以下は四半期ごとに今年を振り返ってみる。

1 ~ 3月

ACM Multimediaに論文を投稿することを決め, コツコツとその準備を始めた。いろいろな実験を行っていく中で, 自分自身がもともと抱いていた作業映像から手順書を生成する上での最も興味深いポイントは, 「同じ物体であったとしても物体の性質は作業過程で大きく変化していくが, 従来の文生成手法はそれを考慮に入れていない」にあると考えた。これは去年の学振にも同じ内容を書いたが, 実際にそれを検証するために行動に移したのが今年ということになる。また, 松尾ぐみの論文の書き方の指南にもある通り, top conferenceに出すときは何度も推敲する, できるくらいの時間を取るということを意識した。最終的な締め切りは4月にあったが, 論文自体は2月中に完成させ, そこからじっくりと論文を再構成することで, 結果としてはいい論文が書けたと思う。1月から3月はこの論文につきっきりで他のことはあまり覚えていない...。

つらそう...

4 ~ 6月

ACM Multimediaに投稿した。そろそろ求職にむけた活動もしていかないとナーと思ってPreferred Networks (PFN)のインターンに応募したり, 後輩と勧めていた生化学ドメインの作業映像&手順書(プロトコル)のデータセット論文を書いてICCVのWorkshopに投稿したりしていた。学振を貰い始めて生活がだいぶ楽になった。人権〜〜〜!この時期のことはあんまり覚えていないが, 伊勢神宮に行ったのが印象に残ってる。旅館含めとてもよかった...。写真がない...。

7 ~ 9月

ACM Multimediaの結果が来た。査読結果は概ね良好で (5段階で言うと4,4,4,3)そのまま無事採択された。またICCV Workshopに投稿していた論文も無事に採択された。非常にめでたい。ACM Multimediaに出した論文を拡張してIEEE Transactions. Multimediaに投稿しようと言うことになった。これが今年結構難産した。より良い論文にするためには新しくアノテーションしたり, 手法を拡張したりする必要があったのだが実装したものが悉くあまりうまくいかずにウームと悩んでいた記憶がある。

最初はこんなこと言ってたのにナー

そう悪戦苦闘しているとPFNのインターンも合格し, 8月から9月の終わりにかけてオンラインでインターンが始まった。基本修士, 博士の優秀な学生が集まっていて, みんな強すぎてグエーと毎日自宅でインターンに取り組んでいた。詳細はここには書けないが, PFNのメンター陣の的確なコメントをもとに開発できるのは楽しかった。あとインターン生, メンター陣含め, 皆尖ってるけど優しかった..どんなアイデアもおもしろい、すごい、と言ってから議論が始まるのは心理的に安全だった。最終的にプロトタイプレベルではあるが面白いものができて個人的には満足。また, PFNスマブラ部に混ぜてもらえてインターンが終わった今なおスマブラで交流している。とても楽しい。

早くオフラインでインターンができる世界になるといいナ

あとは7月に北海道に旅行に行った。個人的に今年一番思い出に残ってるのは富良野でたべたじゃがいもである。めちゃくちゃ美味しかった。次は北海道のトマムとか泊まってみたいな (高そうだけども...)。

10 ~ 12月

難産した論文誌を提出するも, IEEEの30%ルール(カンファレンスの内容は3割のoverlapしか認めない)にひっかかってdesk rejectを喰らう。その後別の論文誌へ投稿した。現在結果待ち。ICCV Workshop, ACM Multimediaの発表もありかなり10月は忙しかった。11月になってようやく新しい研究テーマに取り組み始める。いいアイデアが思いつき, 現在実験中&来年の言語処理学会へ投稿予定。また, 新しいインターン先も確保した。次はオフラインでインターンを行うのでとても楽しみ。ο株, たのむから暴れないでください...

あとは下呂温泉に行きました。とても綺麗な温泉で心からリラックスできました。

成果

今年の研究成果は以下の通りである。2件の国際会議, ワークショップでの発表と, 1件の国内学会での発表を行なった。ACM Multimediaはマルチメディア分野でのトップカンファレンスにあたるので, そこに通ったのは良かったかなと思う。ただ本数は寂しいな...あと1本くらい欲を言えば欲しいか。博士生活も折り返しが迫ってるが頑張っていきたいなぁ。

国際会議

  • Taichi Nishimura, Atsushi Hashimoto, Yoshitaka Ushiku, Hirotaka Kameko and Shinsuke Mori. State-aware Video Procedural Captioning. In Proc of the 29th ACM International Conference on Multimedia (ACMMM21)

  • Taichi Nishimura, Kojiro Sakoda, Atsushi Hashimoto, Yoshitaka Ushiku, Natsuko Tanaka, Fumihito Ono, Hirotaka Kameko and Shinsuke Mori. Egocentric Biochemical Video-and-Language Dataset. In Proc of the 4th Workshop on Closing the Loop Between Vision and Language in conjunction with ICCV (CLVL21)

国内会議

  • 西村 太一, 橋本 敦史, 牛久 祥孝, 亀甲 博貴, 森 信介. 手順構造を考慮した作業映像からの手順書生成. 言語処理学会第26回年次大会 (NLP2021)

今後

今後のキャリアとして, 研究もできるソフトウェアエンジニアというが一番しっくりきている。研究で身につけた思考プロセスはエンジニアリングのプロセスそのものに活かしていけるはずだと信じている。今年の反省点として, 研究を行う姿勢は身に付いてきた一方で, プログラミング能力, たとえば再利用しやすいようなコードを書いたり, 実験を回しやすいような開発環境を整えたり, といった点はまだまだだと思う。次の1年はより良い論文をより多く書くことに加えて, プログラミング能力を上げられるような1年にしたい (早速インターンがあるので試していきたい)。